最終更新日 2024年10月21日 by dustriah
こんにちは、証券会社で営業職をしている田中一郎です。今回は、株式投資の中でも特に注目されている「積立投資」について解説します。
積立投資とは、毎月一定額を株式や投資信託に投資する方法のことです。コツコツと長期的に投資を続けることで、大きな資産を築くことができると言われています。
しかし、本当に積立投資には効果があるのでしょうか?私自身、証券会社に入社してから積立投資の提案を多く行ってきましたが、お客様からは以下のような疑問や不安の声をよく聞きます。
- 毎月の積立額が少額でも意味があるの?
- 株価が下がったらどうなるの?
- 手数料や税金で損しない?
このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、積立投資の仕組みやメリット・デメリットを分かりやすく解説します。少額から始められる積立投資の魅力を、ぜひ知っていただきたいと思います。
目次
積立投資の仕組みを分かりやすく解説!
積立投資とは?基本的な仕組みを理解しよう
積立投資は、一定期間ごとに決まった金額を継続的に投資する方法です。毎月の給与やボーナスの一部を積み立てることで、コツコツと資産を築いていくことができます。
積立投資の最大の特徴は、「ドルコスト平均法」と呼ばれる効果を享受できる点です。これは、株価の変動に関わらず一定額を継続的に投資することで、平均取得単価を下げる効果のことです。
例えば、毎月1万円ずつ株式を購入するとします。株価が1,000円の時は10株、株価が500円の時は20株を購入することになります。つまり、株価が高い時は少ない株数を、株価が安い時は多くの株数を購入することになるのです。
この方法を続けていくと、株価の変動に関わらず平均取得単価が平準化されていきます。結果的に、高値掴みのリスクを減らすことができるのです。
積立投資の種類と特徴を知ろう
積立投資には、大きく分けて2つの種類があります。
- 株式の定期購入プラン
- 毎月決まった金額で特定の銘柄を購入するプラン。
- 銘柄選びが必要だが、自分の判断で投資ができる。
- 投資信託の積立投資プラン
- 毎月決まった金額を投資信託に投資するプラン。
- 銘柄選びは不要だが、運用は投資信託会社に任せることになる。
また、積立投資には以下のような特徴があります。
- 少額から始められるため、投資初心者でも取り組みやすい。
- 時間分散効果により、リスクを軽減できる。
- 長期的な資産形成に適している。
- 手数料が比較的安い。
自分の投資スタイルや目的に合わせて、適した積立投資の種類を選ぶことが大切です。
積立投資のメリットを徹底解剖!
長期的な資産形成に有利な理由とは?
積立投資の最大のメリットは、長期的な資産形成に有利な点です。その理由は以下の2つです。
- 複利効果を享受できる
- 積立投資で購入した株式や投資信託から得られる配当金や分配金を再投資することで、複利効果を得ることができます。
- 複利効果とは、利子や配当金が元本に加わることで、次回以降はその元本に対して利子や配当金が発生する効果のことです。
- 長期的に積立投資を続けることで、複利効果によって資産が飛躍的に増加する可能性があります。
- 時間分散投資によってリスクを軽減できる
- 積立投資は、毎月コツコツと投資を続けることで、時間分散投資の効果を得ることができます。
- 時間分散投資とは、投資のタイミングを複数回に分けることで、株価の変動リスクを軽減する方法です。
- 一時的な株価の下落があっても、長期的には株価が上昇傾向にあるため、積立投資で時間分散効果を得ることができれば、リスクを軽減しながら資産を増やすことができます。
実際に、過去の株式市場のデータを見ると、長期的には株価は上昇傾向にあることが分かります。例えば、東証株価指数(TOPIX)の過去30年間のデータを見ると、年率リターンは約4%となっています(出所:東京証券取引所)。
つまり、長期的に積立投資を続けることで、市場の平均リターンを享受しながら、安定的に資産を築いていくことができるのです。
リスクを軽減できるってホント?ドルコスト平均法の秘密
先ほども触れましたが、積立投資の大きな魅力の一つが「ドルコスト平均法」です。これは、株価の変動に関わらず一定額を継続的に投資することで、平均取得単価を下げる効果のことです。
ドルコスト平均法の効果を示す例として、次のようなケースを考えてみましょう。
ある投資家が、毎月1万円ずつ株式を購入することにしました。株価が1,000円の時は10株、株価が500円の時は20株を購入します。
- 1ヶ月目:株価1,000円で10株購入
- 2ヶ月目:株価1,200円で8株購入
- 3ヶ月目:株価800円で12株購入
- 4ヶ月目:株価1,100円で9株購入
この場合、合計で39株を購入したことになります。購入総額は4万円なので、平均取得単価は約1,026円となります。
一方、この投資家が4ヶ月目に4万円をまとめて投資した場合、株価1,100円で約36株を購入することになります。
つまり、ドルコスト平均法を使った方が、まとめ買いをするよりも多くの株数を購入できていることが分かります。
このように、ドルコスト平均法を活用することで、平均取得単価を下げることができます。特に、株価の変動が大きい局面では、この効果が大きくなる傾向にあります。
ただし、ドルコスト平均法はあくまでもリスクを軽減する方法であり、完全にリスクを無くすことはできません。株価が大きく下落した場合には、元本割れのリスクがあることも理解しておく必要があります。
始めるハードルが低い!少額からコツコツ投資
積立投資の大きな魅力の一つが、少額から始められる点です。株式投資は、一般的に多額の資金が必要なイメージがありますが、積立投資なら数千円から始められます。
例えば、私が勤めているJPアセット証券では、「投資信託の積立投資プラン」を提供しています。これは、毎月5,000円から投資信託を積み立てることができるサービスです。
また、多くのネット証券会社では、100円から積立投資ができるサービスも提供されています。
このように、積立投資は少額から始められるため、投資初心者でも気軽に始めることができます。給与やボーナスの一部を投資に回すことで、無理なく長期的な資産形成を始められるのです。
ただし、積立投資を始める前には、以下の点に注意が必要です。
- 積立投資は長期的な運用が前提なので、途中で資金が必要になる可能性がある場合は不向き。
- 投資信託の場合、信託報酬などの手数料がかかるので、手数料の低い商品を選ぶことが重要。
- 定期的に投資を続ける必要があるため、家計の状況を考えて無理のない金額を設定する。
こうした点に注意しながら、自分に合った積立投資のプランを選ぶことが大切です。
積立投資のデメリットも知っておこう!
短期的なリターンは期待できない?
積立投資は、長期的な資産形成には適していますが、短期的なリターンを得ることは難しいと言えます。
その理由は、積立投資が時間分散投資の一種であるためです。一度にまとまった金額を投資するのではなく、長期間にわたって少しずつ投資を続けるため、短期的な値上がり益を狙うことは難しくなります。
特に、株式の定期購入プランの場合、銘柄選びによっては短期的なリターンを得られる可能性もありますが、そのためには高度な銘柄分析が必要になります。
一方、投資信託の積立投資プランの場合、運用は投資信託会社に任せることになるため、短期的なリターンを狙うことは難しいでしょう。
したがって、積立投資は、あくまでも長期的な資産形成を目的とした投資方法だと理解しておく必要があります。
元本割れのリスクはあるの?
積立投資は、リスクを軽減する投資方法ですが、元本割れのリスクがないわけではありません。
特に、株式の定期購入プランの場合、個別銘柄のリスクが高くなります。業績不振や不祥事などによって株価が大きく下落した場合、元本割れのリスクがあります。
一方、投資信託の積立投資プランの場合、元本割れのリスクは相対的に低くなります。投資信託は複数の銘柄に分散投資されているため、個別銘柄のリスクが軽減されるためです。
ただし、投資信託といえども、市場環境によっては元本割れのリスクがあります。特に、株式市場全体が大きく下落するような局面では、投資信託の基準価額も下がる可能性が高くなります。
したがって、積立投資を始める際には、元本割れのリスクがあることを理解した上で、自分のリスク許容度に合った商品を選ぶことが重要です。
手数料や税金はどうなる?
積立投資を行う際には、手数料や税金についても理解しておく必要があります。
まず、手数料については、以下のようなものがあります。
- 購入時手数料:株式や投資信託を購入する際にかかる手数料。
- 信託報酬:投資信託の運用管理費用として差し引かれる手数料。
- 売却手数料:株式や投資信託を売却する際にかかる手数料。
これらの手数料は、商品や証券会社によって異なります。特に、投資信託の信託報酬は、長期的に積み立てを続ける場合、大きな影響を与えます。手数料の低い商品を選ぶことが、長期的なリターンを高めることにつながります。
次に、税金については、以下のような点に注意が必要です。
- 配当金や分配金には、税金がかかる。
- 株式や投資信託を売却した際の売却益には、税金がかかる。
- 積立投資で購入した株式や投資信託を売却する際、譲渡損益の計算が複雑になる。
税金については、制度が複雑なため、詳しくは税理士や証券会社に相談することをおすすめします。
積立投資を行う際には、これらの手数料や税金を考慮に入れた上で、自分に合った商品を選ぶことが重要です。
積立投資を始める前に知っておきたいこと
積立投資に向いている商品とは?
積立投資に向いている商品は、以下のような特徴を持っているものです。
- 長期的に安定したリターンが期待できる商品
- 株式の場合、業績が安定している銘柄や、増配が期待できる銘柄など。
- 投資信託の場合、世界各国の株式や債券に分散投資している商品など。
- 手数料が低い商品
- 購入時手数料や信託報酬が低い商品を選ぶことで、コストを抑えることができる。
- 分散投資ができる商品
- 投資信託は、複数の銘柄に分散投資されているため、リスク分散に適している。
個人的には、投資信託が積立投資に最も適した商品だと考えています。特に、インデックスファンドやバランスファンドは、長期的に安定したリターンが期待できるため、おすすめです。
JPアセット証券株式会社でも、こうした特徴を持つ投資信託を多数取り扱っています。初めて投資信託を選ぶ際は、証券会社の担当者に相談することをおすすめします。
積立投資の始め方と注意点
積立投資を始めるためには、以下のようなステップが必要です。
- 証券口座を開設する
- 証券会社やネット証券で、口座開設の手続きを行います。
- 本人確認書類や印鑑などが必要になります。
- 積立投資のプランを選ぶ
- 自分の投資目的やリスク許容度に合ったプランを選びます。
- 積立金額や投資先、積立期間などを決定します。
- 積立を開始する
- 毎月の積立日に、指定した金額が自動的に引き落とされ、株式や投資信託が購入されます。
ただし、積立投資を始める際には、以下のような点に注意が必要です。
- 無理のない金額で積立を開始する。
- 投資先は、長期的に持ち続けられる商品を選ぶ。
- 途中で積立を中断すると、ドルコスト平均法の効果が得られなくなる。
- 定期的にポートフォリオの見直しを行う。
特に、積立金額については、慎重に検討することが大切です。毎月の収支を把握した上で、無理のない金額を設定するようにしましょう。
また、投資先の選択については、長期的な視点を持つことが重要です。一時的な値動きに惑わされず、自分の投資方針に基づいて、冷静に判断することが求められます。
積立投資は、コツコツと継続することが何より大切です。投資を習慣化し、長期的な資産形成を目指していきましょう。
まとめ
今回は、積立投資の基本的な仕組みやメリット・デメリットについて解説しました。
積立投資は、長期的な資産形成に適した投資方法です。ドルコスト平均法や複利効果を活用することで、リスクを抑えながら、安定的にリターンを得ることができます。
また、少額から始められるため、投資初心者でも気軽に始めることができるのが大きな魅力です。
ただし、積立投資にもデメリットがあることを理解しておく必要があります。短期的なリターンは期待できませんし、元本割れのリスクもゼロではありません。
手数料や税金についても、事前に確認しておくことが大切です。
積立投資を始める際は、自分の投資目的やリスク許容度に合った商品を選ぶことが重要です。投資信託は、分散投資ができるため、おすすめの商品の一つです。
JPアセット証券でも、投資信託の積立投資プランを提供しています。投資初心者の方でも、少額から始められるプランもあるので、ぜひ活用してみてください。
積立投資は、早く始めるほど資産形成の効果が大きくなると言われています。今日から、コツコツと積立を始めてみませんか?長期的な資産形成を目指して、一緒に頑張っていきましょう!